現状、PSO2一色になりそうです。


by sora_hane
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漂う意識を言葉が繋ぎ、世界が紡がれる物語。

 さて、今回の更新は大仰な名前がついていますが――理由は、こちら!

『チャット式リレー小説』!!

 えっと、内容はなんなのかというと……チャット参加者が自由に物語を紡いでいく、リレー小説なのです。
 掲示板とかでのリレー小説と違って、制限時間が存在する分、瞬発力が求められるゲームです。
 先日開催してみたのですが、サトツレさん、XENOさん、琴波さん、イルさん、イコさん、kyeさんの六人が参加して頂けました。ソラハネのノリで発生したゲームに参戦して頂いて、本当に有難うございます!
 ちなみに私は不参加。以前参加したゲームに於いて、場をひたすら掻き回しまくった記憶があったのと、右腕が死んでたのが有って、あんまりタイピング早く打てなくて……今も右腕死んでますけどorz

 追記から、物語本編になります。今回はタイトルを私がつける権利は無いので、今は空白のままにしておきますが、作り手の皆様方に考えて頂くのも、読者の方々に考えて頂くのも、どちらも面白いかも知れません。
 私は関与していませんので、後書きを書くつもりは有りません。追記以降は、全て原本のまま、作り手方の言葉をそのまま残しておきます。

 順番は、上からサトツレさん、XENOさん、琴波さん、イルさん、イコさん、kyeさん。分かり易いように色訳をしております。
 サトツレさん=灰、XENOさん=赤、琴波さん=空、イルさん=黒、イコさん=黄緑、kyeさん=青。
 では、六人が紡がれた一つの物語、ご堪能下さい。



 僕は、息を切らしながら、自宅の鍵を差し込んで回す。 だがドアノブを引いても、扉は沈黙を守ったままだった。
 考えられる可能性としては、鍵が壊れたか、それとも元々開いていたのを閉めてしまったか。確かめるために、今度は鍵を逆に回す。
 それでも扉は沈黙を守ったまま。鍵を持つ手に変な汗がにじんでくる。
 どうしてという言葉ばかりが頭をよぎり、手は無意味な行動を繰り返す内に汗に濡れ始めた。
 僕は鏡の世界にでも迷い込んでしまったのだろうか。耳を刺す静寂に心かき乱され、思い切り扉を蹴り飛ばした。
 「それは君ンちのドアじゃない。君はさっきそのドアからこっちに『来た』んだ」 焦燥感で気が狂いそうになっている僕の背後から、ひどく冷めた声が掛けられた。
 しかし後ろを振り向いても、普段どおりの道路、普段どおりの人々が、ただ歩いている風景しか見えなかった。
 「こっちって、それじゃあここはいったいどこなんだよ!」僕の脳内で処理できるはずも無い情報に、ただいらだちだけが募っていった。
 先ほどの声の主が答えてくれるのではないか、という期待は時間の経過と共に朧気になっていった。
 声の主はドアについた僕の汗を手でなぞり、そして取り出した煙草でもなぞった。・・・煙草に火が付いた。
 そこには黒服を纏った小さな男が立っていた。そいつは煙草を旨そうに銜え、それからふーっと紫煙を吹き出す。途端、扉以外の全ての風景が消え去った。
 改めて視界に入れた小男はくわえ煙草のまま懐から鈍色に輝くモノを取り出し、もったいぶった所作で僕の顎先へ突きつけた。
 僕は身動き一つ、とることが出来なかった。 ひんやりと冷たい、顎に当たる何かを確認しようと、視線を下へと動かすだけで、殺されてしまいそうな気さえした。
「安心しろ。質問に正直に答えりゃ殺しゃしねぇ。お前はどうやってここに来た?」男は無愛想にしゃべった。
「どうやって、って…そんなのこっちが聞きたいよ!お前こそ何なんだよ!」
 僕はつっかえそうになる言葉を気力で発した。震わせた喉に小男の持つ物が当たり、冷たく嫌な感触がする。
 男は何も喋らない。沈黙が却って恐怖を煽った。僕は必死に思い出す、この扉の前に立つまでのことを。
 ――焦っていた。尻に火のついたマッチを押し込められたみたいに、慌ただしく疾走していた。そうだ。僕はあの夕暮れの街を駆けて来たんだ。

 走っている時は何も感じる余裕も無かったが、今思い出してみると何かおかしなことがあったようにも思う。
 僕が走っていると必ず前には、まるで走るのを邪魔するかのように人が走っていた。初めは単なる偶然かと思い追い越そうとしたが、それをまたふさぐように前に来る。
 黄昏時、人の顔は見えない時間(誰そ彼)。そういえば、邪魔をした人物は夕日を背にしていたのに・・・・影はなかった。
「影が……なかった」僕が呟くと、男はニヤリと笑い腕を下ろす。その動きを無意識に追うと、男の足元が目に入る。そこにもやはり、影はない。
 足元に下ろした視線が彼の手の中を捉えた。そこに握られるモノを見て力が抜ける・・・。「せん・・・ぬき・・・?」
 何だというのだ…自分はそんなものに怯えていたというのか…? 僕は夢から覚めたような気分だった。
 しかし、それは早計だった。僕は、安堵感から忘れていた。煙草は汗から火をついたように、ここは異質だということを。
「これは鍵だよ、この扉のな。思い出したのなら返してもらおうか、俺の影を」言いながら男は栓抜で僕の頬をなぞる。激痛が走った。
「ぎゃあああ!!」顔面から得体の知れない何かが無理矢理引き剥がされていく。瞬く視界の中に夕暮れの景色が浮かんだ。僕はあの誰かを、追い越して……。
 その先を思い出す前に思考が停止する。痛みで何も考えられない。
「影踏みというゲームを知っているかい?・・・踏まれて鬼になった者は、影を『取り返す』為に他人の影を『奪う』んだ」
 僕から引き剥がされて行く僕の影、曖昧になる僕の輪郭。虚空に浮かぶ夕暮れ色に染まったままの扉が、瞼の裏で四角い残像となった。もう、あの向こう側には、帰れないのかな……
 人影は今もどこかを走っているのだろう。慌てた誰かが薄っぺらい影を踏み抜いてしまうのを待ち構えて。……おっと! 「やあ、そこは君ンちのドアじゃないよ」

END....



 ぼくらは朝までリレーするのだ PCからPCへと いわば交替で自宅を守る 落ちる前のひととき耳をすますと どこか遠くで目覚まし時計のベルがなってる
 谷川俊太郎 「朝のリレー」より改編……
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by sora_hane | 2009-05-17 12:04 | リレー小説