現状、PSO2一色になりそうです。


by sora_hane
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第二回リレー小説、開幕――

 と、いう訳でこんにちは!
 今回の更新では出来たてホヤホヤのリレー小説『スピーカー』をお送りします!

 今回の参加者はイルさん、ソラハネ、サトツレさん、グラスさん、kyeさん、イコさん、の六人! 皆さん、夜遅くに御付き合い頂きまして、本当に有難うございました! そして足引っ張りまくって済みませんでしたorz

 今回は見易さを重視して、あえて色分け無しで書いてみたいと思います。そして、。が抜けている場所は、一応編集として入れております。
 とはいえ、どのパートが誰書いたのかと知りたいという方が一人でも居られたら、即座に色付けしますので、その辺は気軽に言って下さい^^

 それでは、追記から発表します! 後書きも何も書ける立場じゃないので、追記後は全て小説で埋めますので!






 老婆は静かな口調で、彼女の知る『物語』を語り始めた。

 星一つ無い空に、草原がザッと夜風に揺れた。
「……今日も、月が綺麗だなぁ。もうそろそろ、見えてくれても良いのにな」
 年端もいかぬ少女が溜め息をつくように呟いたとき、波打つ草の海に亀裂が走った。
「あ……!」
 星明りを消し去るほどに神々しく輝く月に手を伸ばし、少女は大地の顎に飲み込まれる。
 光が、月の雫で輝く世界が、遠のいていく。
 あぁ、今日も見れなかった――後もう少しで、きっと見えた筈なのに。
 暗闇に落下してゆく少女は、いつしかその身体を闇へと変じさせていた。溶けていく闇の肉体。彼女は光の中にその身を置けぬ存在だった。

 厚い闇の繭に包まれ、まどろみながら少女は思う。今日はダメだったけど、明日なら見ることが出来るかもしれない……終りの歌をうたう、双頭のひかりの鳥。
 祖母から聞いた『物語』の中の伝説の鳥。しかし、少女は自分という存在がいるのだからと、実在を信じていた。
 自分が生きていれば、ひょんなことで出会うかも知れないと、ずっと信じていた。
 そう思ってはみても、その鳥と彼女はまさしく水と油。 やはり、闇が光を見るなどただの夢物語でしかなかった。
 それでも彼女は願い、闇越しに世界を見続けた。もし出会えたら――、それを糧に生き続けた。
 最早、他に生きる理由も見付らぬほどに、少女は彼の鳥を待ち続けてしまったから――光の音を放つ、其の鳥を。
 闇を呼吸し、彼女は時期を待った。月が瞼を閉じる朔の夜を。闇の充溢するその時こそ、少女の闇はあらゆる夜を走査する。

 「どうしてそんなモノを待ってるのさ。光は僕らと相容れぬもの、例えそいつがいたとしても、出会った瞬間君は消えてしまうんだよ」
 闇に棲む者が少女に囁いた。
「それなら私、今日から光になるよ」
 彼女はそんなことを口にしてしまうほど、追いつめられていました。
 でも、嘘ではない。光の鳥に会いたい。会いたい。会って――『影』にして欲しい。「光」の鳥の『影』になりたい。それが、彼女の願いでした
「私は、光と一緒に世界を見てみたいんだ。この世界が、どんな風になっているのか――行ってきます」
 大地の中に歌が響いていた。酒場に設えたきらびやかな舞台。その上で誰かが高らかに唄っていた。朔月の空を見上げて、少女は自分とは縁遠い、彼方の歌に想いを寄せた。
「しまった!思いを寄せてる場合じゃない!」
 彼女は歌の聞こえてくる方向へ急ぎます。もし、歌の紡ぎ手があの鳥だったら……。
 しかしそうやって駆けてみると、夜の世界は彼女が今まで思っていたものとは違っていた。
 夜闇に仄かに浮かび上がる芒の銀の穂、空に満ちるは、月無の夜にのみ輝く星の翼だった。ふたつの嘴が、ひかりの歌を唄い始める。
 星光の唄は、遥かな夜空を照らすように、高らかと大空へ舞う。少女の闇色を溶かし、全てを包み込む、幸福の調べと化して。

 しかし、玲瓏な歌を紡ぐ姿は醜い怪鳥だった。星屑をちりばめたような鳥の首に対すものは、四角四面のスピーカー。LP盤のトサカが回り、おわりの歌を口ずさむ。人に毒された光・・・。
「どうして?」
 少女の落胆はあまりにも大きかった。
「あなたにとって、唄ってそんなものだったの?」
 私はどうしてこの鳥を求めていたのだろう?

「少女は影にはならなかったよ。影にもなれず、闇でもなくなった少女は『人』になったのさ」
 そう言って老婆の物語は終わる。スピーカーはもう何も語らない。ノイズだけが拍手のようにぱちぱちと流れ続けた。
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by sora_hane | 2009-06-21 17:03 | リレー小説